身長が伸びない原因を考えることで伸ばす可能性を広げる

身長が伸びない原因にはどんなものがあるの?

 「親の背が小さいから子どもも小さいのは当たり前」と昔はよく言われていました。「身長は遺伝的要素が強い」という考え方です。また「寝る子は育つ」という言葉も昔からよく言われてきました。そういった古くから言われてきた言葉の真偽も含めて、「身長が伸びない原因」を近年の研究をまじえて書いていきたいと思います。

身長

 まず結論から言うと、様々なものの影響が関わり合いながら身長の伸びが決まってきます。「遺伝的要素」と「環境的要素」の両方が影響を与えているということです。どちらかというと「環境的要素」の影響の方が強いというのが最近の研究結果です。

 「遺伝的要素」か「環境的要素」という議論は、身長の伸びだけでなく、運動神経や筋力、また運動だけでなく、学習や精神面などに関しても話題にされてきました。運動面は特に遺伝の影響が強いのではとされてきたのですが、現在では、「遺伝も関係あるが育つ環境の影響が大きい」というものが一般的なようです。

子どもの育ちには「環境」の影響が大きいとされています。環境とは、具体的には「食事」「睡眠」「運動」などになります。それぞれを個別に説明していきます。

食事の大切さ

 偏った食事が原因で身長が伸びないということがあります。身長が伸びる時期には栄養摂取の「量」と「質」の両方が大事になります。骨などが伸びる為には様々な栄養素が必要になります。たんぱく質、カルシウム、亜鉛、マグネシウムなどが必要とされています。一般的には牛乳などに含まれるカルシウムをイメージする人が多いですが、カルシウムだけでなく、様々な栄養素が必要になります。それらが量的にもきちんと摂れている状態で成長が出来ていきます。何かの栄養素が欠けていたり、量が足りなかったりする状態では、正常な成長ができない場合があります。

 人間には大きく身長が伸びる時期が二度あります。一度目は産まれてから一年間です。身長が1.5倍、体重が3倍ほどになると言われています。この時期の食事は、母乳又はミルクということになります。母親がどういった食生活をしているかによって、母乳の質に影響がある場合はありますが、多くの場合、赤ちゃんは栄養素をバランスよく摂ることができています。問題は、二度目の成長の時期です。二度目の成長は、小学校高学年から中学校にかけての時期です。この時期の成長は女子の方が数年早く、小4~中1くらい、男子は、中1~中3くらいが成長のピークとなります。この時期は、生後間もなくとは違い、食生活が乱れやすくなります。おやつでジャンクフードばかり食べ、きちんとした食事をしないケースやダイエットなどを意識し、極端に量が少なくなったりするケースがあります。注意が必要です。

睡眠の大切さ

昔から言われている「寝る子は育つ」は正しいです。寝ている間に「成長ホルモン」が分泌されます。質の良い睡眠をとることで「成長ホルモン」の分泌が促されていきます。この成長ホルモンは、午後10時から午前2時くらいに多く分泌されると言われています。
特に注意が必要なのが、小学校高学年から中学生にかけての年代の子どもです。最近は成長期にあたる子どもの生活の乱れが問題になっています。スマートフォンの所持は年々、年齢が下がってきています。家での使用に関して、家庭内でルールが決められていれば良いですが、もしそういったことがされていないようであれば、子どもの生活、特に睡眠が乱れていってしまう可能性が高いです。ゲーム、ラインなど、子どもがスマホへの依存に近い状況があります。スマホが原因による睡眠リズムの乱れは、学力への影響は勿論、不登校、その後の引きこもりへとつながる可能性もあるので十分な注意が必要です。

運動の大切さ

 骨の成長には「適度な運動」も必要だとされています。運動不足は身長の伸びにも影響を与えています。バスケやバレーの選手は、良くジャンプをしています。ジャンプによる骨への刺激は、骨に刺激を与え、成長ホルモンの分泌を促します。
 ただし、やりすぎは体に違う影響を与えてしまいます。例えば、オリンピックに出るようなトップレベルの体操競技選手は多くの人が小柄です。オリンピックに出るレベルだと、幼少期から体操に取り組んでいることが多いです。小さな頃に筋肉が付いてしまうことで、骨の成長を阻害してしまうのです。筋力トレーニングの類は身長の伸びの止まった高校生くらいになってから始めるのが適切だとされています。このように成長に良いきっかけを与える運動ですが、場合によっては、逆の役割になってしまうこともあることに注意が必要です。

多くの場合、上記のような環境を整えることで、改善されることが多いです。ただし、極まれにですが、病気が原因のこともあります。「成長ホルモン分泌不全性低身長症」「思春期早発症」「軟骨無形成症」「ターナー症候群」などが可能性としてあります。規則正しい生活をしているのにあまり身長が伸びないという時は医療機関で診てもらうことが良いかもしれません。